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売れる会社、売れない会社の違い

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売れる会社、売れない会社の違い

【読んでいただきたい方】

事業をやっているけれど、
・後継者がいなくて、事業承継ができずに困っている
・事業を売却して現金化したいと思っている
と事業承継についてお困りの方

【目次】

1. はじめに
2. 「売れる会社」の特徴
① 事業に将来性がある
② 買手企業にとってシナジー(相乗効果)が期待できる
③ 買手企業にないものを持っている
④ マイナスポイントが少ない
3. 「売れない会社」の特徴
① 事業規模が小さすぎる
② 利益があげられていない
③ ビジネス構造に問題がある
④ 経理が不透明
⑤ 法的に問題がある
4. おわりに

1. はじめに

代表者と筆頭株主が一致している企業では、特に小規模な企業ほど、深刻な後継者問題を抱えているところが多くなっています(下図1)。
最近、このような後継者問題の解決策のひとつとして、M&Aによる事業承継が注目されています。
後継者不在で事業の運営が難しくなった場合でも、社外の第三者に事業を承継することで、買主の経営資本や強みを活かして事業を強化したり、従業員の雇用を守ったりすることができる可能性があります。

図 1 年商規模別の企業の後継者不在率

図 1 年商規模別の企業の後継者不在率
(出所)㈱帝国データバンク「全国オーナー企業分析」(2016/11/25)

また、M&Aは、起業家の出口戦略としても、検討されています。

例えば、起業家の方でM&Aを検討されるきっかけとしては、

  • 自社でできることに限界を感じた場合
  • 新しいビジネスに興味が湧いてしまった場合
  • 事業に飽きてしまったという場合

などが挙げられます。

もちろん、ベンチャー企業の目指すゴールとしては、株式の上場(IPO)も考えられます。
ただ、上場を目指すには、厳しい基準をクリアしなければならず、さらに、準備の時間や維持費もかかるため、負担が大きいです。

これに対し、M&Aであれば、譲渡の合意が整えば事業を売却することができますし、買主の資本を借りて事業を成長させたり、他の新規ビジネスに集中したりするなど、機動的な経営を行なうことも可能です。

そのため、後継者問題起業家のひとつのゴールとしてM&Aが検討されています。

いずれにしても、会社や事業を高値で買ってもらうためには、経営している会社が買手企業にとって「魅力的」=「投資をするメリットがある会社」である必要があります。「魅力的」な会社であれば、たとえ小規模でも、赤字会社でも、売却できる可能性があります。

では、買手企業にとって「魅力的」な会社とは、どのような特徴があるのでしょうか。この点を考えるに当たっては、「魅力的」ではない会社、すなわち「売れない会社」の特徴も考慮する必要があります。

この記事では、

  • 収益が赤字でも事業の売却はできるのか。
  • どういう会社であれば、高値で買ってもらえるか。
  • 将来事業譲渡を目指すために気をつけておくべきことはなにか。

など、事業承継しやすい会社の特徴を解説していきます。

弁護士法人神楽坂総合法律事務所は、年間100件以上、相続に係る案件の受任・相談に取り組む、相続に注力した事務所です。特に、後継者がいないまま相続が発生した事案などで、過去、事業承継に携わってきました。また当事務所は、M&Aを手掛ける事業者・士業と提携・連携しており、売り手・買い手企業のマッチングの対応もしています。さらに、当事務所は、司法書士との協働事務所ですので、M&A後の、代表取締役の変更登記等の各種登記もワンストップで対応できます。

後継者がいなくて困っている方、相続を契機に、廃業や会社の処理に困っている方は、一度ご連絡ください。

2. 「売れる会社」の特徴

まず、「売れる会社」の特徴としては、以下の4点があります。

① 事業に将来性がある

買手企業にとって魅力的に映る企業とは、その企業が行う事業に将来性があることが必要です。

具体的には、次の要素があると将来性のある事業と判断されます。

安定した利益を出している(安定した顧客基盤がある)

「安定した利益を出している」ということは、固定客があり、信頼と実績を十分に備えていることを意味するため、企業にとって何よりの強みであるといえます。 特に、多少落ち着いた感はありますが、いわゆるITを利用した会社は、財務内容に比して高値で売却される傾向があります。なぜなら、いわゆるサブスクリプション型の事業では、利用者数に応じて、一定程度の売上見込みが立つうえ、データがとりやすいため、広告費に対してどの程度の売上増加が見込まれるかが予想しやすいからです。そのため、将来の利益を見越して高値がつきやすい傾向にあります。

市場が拡大傾向にある

現在は会社の売上規模が小さくても、今後市場が拡大していくと見込まれる場合は、「将来性のある事業」といえます。一例を挙げるならば、シェアリング・エコノミー(C to Cサービス)は今後国内市場規模を拡大していくとされています(総務省『情報通信白書』平成29年版)。

近年注目されている業界

近年、政府は「Society5.0」を打ち出し、IoTやロボット、人工知能(AI)、ビッグデータ等の新しい技術が注目を集めています。また、高齢化社会や食品ロス削減など、現在社会問題となっている分野に取り組む業界は、多くの企業が関心を寄せています。

業界再編が進んでいる業界

企業の合併等により、業界内の勢力図が変化し、競争環境が大きく変わっている業界には、他業種でも既存の事業者と連携することで参入できるチャンスがあります。特に現在は、人口の減少や多様なニーズが求められている時代であるため、あらゆる業界で業界再編が発生しています。
そのため、業界再編が進んでいる業界には将来性があるといえます。

② 買手企業にとってシナジー効果(相乗効果)が期待できる

買手企業にとってシナジー効果(相乗効果)が期待できる場合も、その会社を購入する動機となり得ます。

M&Aにおけるシナジー効果とは、2つ以上の企業又は事業が組み合わさることにより、その価値が、その企業ないし事業を単独で運営していくことよりも大きくなることです。買手企業の既存の事業と組み合わさることで、1+1が3にも4にもなるときはシナジー効果があるといえます。

具体的には、得意分野に特化している場合や、経営理念・方針が合致している場合は、既存の企業に大きな刺激を与え、相互の大きな発展につながるでしょう。

③ 買手企業ないものを持っている

買手企業にはない魅力がある場合も、買収する動機となります。すなわち、後から手に入りにくい、あるいは時間やコストのかかる経営資源を有している企業は、買収の対象となりやすいといえます。

具体的には、次のような特徴を有する場合です。

買手企業が持っていない取引先・商圏がある

買手企業が持っていない取引先がある会社を買収することで、販路を拡大することができます。
例えば、地方の会社が東京進出を目指す場合や、逆に東京の会社が地方へ進出する場合等がこれに当たります。また、最近では、海外へ進出する際に、M&Aが利用されることもあります。買手企業が持っていない顧客リストを持っている企業は、買手企業が販路を広げるうえで魅力的です。

参入しようとしている異業種

ある企業が異業種に参入することはかなりのリスクがあります。ノウハウや顧客を一から獲得していくとなると、安定した利益が出るまで時間を要することになるためです。

しかし、すでに参入している企業を買収すれば、上記のようなリスクをかなり減らすことができます。

従業員に高い技術力・ノウハウがある

従業員に特筆すべき高い技術力やノウハウがある場合、その技術力やノウハウを獲得することは、買収企業が今後よりよい発展を行うためになくてはならないものでしょう。そのため、買収に積極的な意欲を示すことになります。

ただし、人材に依存する会社のM&Aの場合、当該人材が会社に残ることが契約条件となることがよくあります。一方で、従業員からすれば、経営体制変更により、他の企業への転職を考えたり、業務へのモチベーションが低下したりすることもあるでしょう。そのため、人材に依存したM&Aについては、契約内容も含めて注意が必要です

取得するのが困難な許認可や特許がある

企業が参入しようとした事業に取得困難な許認可や特許が必要となる場合、許認可等を取得する時間がかかるため、最悪の場合その事業に参入することを断念しなければならないこともあります。

そのような事業に参入する方法として最も手っ取り早いのは、すでに許認可等を得ている企業を買収することです。そのため、取得するのが困難な許認可や特許があることは、大きなアピールポイントといえます。

新規取得が困難な設備・施設がある

これも同じく、事業参入に際して取得困難な設備や施設が必要となる場合は、参入するのに費用と時間がかかります。これをできるだけ最小限に抑えるため、参入を検討している企業は、すでに設備・施設等を取得している企業を買収することを検討するでしょう。

④ マイナスポイントが少ない

上記のような特徴を有しない場合でも、以下のようなマイナスポイントが比較的少なければ、「売れる会社」となり得るでしょう。

  • 大都市から遠い
  • 粉飾決済や不正経理をしている
  • 未払い残業代、簿外債務がある
  • 紛争トラブルが生じている
  • 不要な不動産を有している
  • ワンマン経営で、社長がいないと業務が停滞する
  • 借入金比率が高い

3. 「売れない会社」の特徴

次に「売れない会社」の特徴を見ていきます。基本的には、「売れる会社」が持つ特徴がない会社が「売れない会社」と考えれば良いでしょう。

① 事業規模が小さすぎる

事業規模が小さすぎると、社長が抜ければ仕事が回らなくなるリスクがあります。

② 利益が上げられていない

売却しようとしている会社が、例えば次のような状態にある場合、買収するメリットがないといえるでしょう。

  • 業界が縮小傾向にある(将来性がない)
  • 赤字が続いている、新規借入を繰り返している
赤字続きでも売却見込みがあるケース

ただし、赤字が続いているからといって、必ずしもM&Aが成功しないとは限りません。前述のとおり、将来の事業成長の見込みがある場合は、現状の収益が赤字でも買収するメリットが大きいことがあります。また、貸借対照表上の累積赤字を利用して、節税ができる可能性がある場合等も、赤字が出ている企業を買収するメリットがあります。
さらに、現在、国も事業承継を後押ししており、事業承継を契機に補助金を利用することができる場合もあります。また、事業承継によって、金融機関が、返済条件の変更や追加融資に応じることもありえます

③ ビジネス構造に問題がある

ビジネス構造に問題がある場合も売れにくい要因となり得ます。

例えば、次のようなケースです。

  • ワンマン経営で、従業員に技術力などがない
  • 完全な下請けで特徴がない
  • 事業者が信用できない、情報を隠そうとする

④ 経理が不透明

簿外債務や不正経理等がある場合は、M&Aの前提となる適切な情報提供ができない状態にあります。たとえ、ある分野の業績が本当によくても、不正経理等を行っていては買収企業から信頼を勝ち取れません。
特に、将来M&Aを目指す場合は、適正な経理が必要不可欠です。

⑤ 法的に問題がある

法的に問題がある場合にも、そもそも安全にM&Aができず、購入が見送られる可能性があります。
例えば、以下のような場合です。

  • 株式の所在が不透明
  • 過去、不正行為・違法行為が行われたことがある
  • 過去に株主総会・取締役会等の内容がない、不明確

しかし、少人数で事業を始めたばかりの方や、家族経営を続けてきた方など、会社経営に関する法的問題に不慣れな経営者様も少なくないかと思います。現状の経営で法的問題があるのか不安に感じたら、一度当事務所までご相談ください

4. おわりに

「売れる会社」と「売れない会社」の違いは以上の通りです。売却を検討している場合は、上記のポイントに該当するかどうかを検討しましょう。

「売れない会社」の特徴に該当する場合でも、焦る必要はありません。売れる会社・売れやすい会社に近づける努力をすることで、将来的に高額で売却することも可能です。
当事務所では、労務体制の構築、株式所属の調査、過去の議事録・契約書の調査等を含めて、法的に売りにくい会社であっても、売れるようにお手伝いします。また、中小企業診断士や税理士と協力の上うえ、貴社の会社の磨き上げを含めて、より貴社の魅力アップに貢献します。

お悩みの際はお気軽に弁護士法人神楽坂総合法律事務所までご相談ください

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