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会社代表者が亡くなった場合の対応

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会社代表者が亡くなった場合の対応

【読んでいただきたい方】

・会社代表者が急に亡くなってしまい、その引継ぎをしなければならない後継者の方
・次の後継者は決まっているものの、自分が亡くなった後、会社がどうなるのか不安な会社代表者の方

1. はじめに
2. 会社の代表者が亡くなった場合にすべきこと
① 関係者への連絡
② 新しい代表の選任
③ 保険金の請求
④ 銀行への連絡
⑤ その他名義変更
3. 新代表選任までの流れ
① 株主の確認
② 株式の相続人への連絡
③ 代表者の選任
4. 相続人からの株式買取も検討
5. 会社の解散・清算を行う場合
6. おわりに

1. はじめに

日本経済の基盤を支えているのは、企業数の99%及び雇用の約70%を占める中小企業・小規模事業者です。そして近年は少し改善されつつありますが、特に小規模事業者は、ワンマン社長によって経営が成り立っているところが多いでしょう。

しかし、そのワンマン経営者が不幸にも亡くなった場合、残された人々はどのような対応を行わなければならないのでしょうか。人が亡くなった場合は、通常、相続の問題が生じますが、経営に大きな役割を担っていた会社代表者の場合は、相続に加えて、「今後の会社経営をどうしていくか」という視点も重要です。

この記事では、
会社の代表者が亡くなり、急に会社を引き継ぐことになったが、具体的に何をすべきか。 次の会社経営者を決めるにあたり、どのような手続きをとればいいか。 会社の株式の相続人との関係はどのようになるか。 ワンマン経営者不在で経営が成り立たないことから、会社を解散する場合の手続き。 など、「今後の会社経営」に関係する問題について解説していきます。

神楽坂総合法律事務所は、年間100件以上、相続や事業承継に係る案件の受任・相談に取り組む、相続・事業承継に注力した事務所です。また、事業承継後は、代表取締役の登記等の商業登記が必要ですが、当事務所は、司法書士事務所との協働事務所のため、ワンストップで対応可能です。さらに、M&Aを手掛ける士業・事業者と提携・連携しており、売り手・買い手企業のマッチングの対応もしています。
「会社代表者の相続」でご不安やお悩みの方は、一度当事務所までご連絡ください。

2. 会社の代表者が亡くなった場合にすべきこと

① 関係者への連絡

まず、残された家族は葬儀(社葬)や、従業員・取引先などへの連絡を行いましょう。

次に、会社については遅滞なく新体制へ移行し、できるだけ経営に支障が出ないようにすることが重要です。具体的には、以下の対応を行いましょう。

② 新しい代表の選任

最も重要なことが、新しい代表者を決めるということです。

ワンマン経営など旧代表者の影響力がかなり大きい会社では、旧代表者が亡くなることで、日常業務に支障が出て、現場では大きな混乱をもたらす可能性が大きく、新しい代表を早急に決める必要があります。

③ 保険金の請求

会社は、通常、会社代表者が亡くなった場合等に関して、保険契約を締結しています。
代表者が亡くなった場合は、保険契約を確認し、保険会社に保険金を請求しましょう。

※請求権者に注意
保険金は、通常、請求権限が会社代表者にしかないため、請求するためにも新しい会社代表者を選ぶ必要があります。そのため、トラブルになる可能性があったり、急な資金使途が考えられるような場合、保険会社と事前相談のうえ、請求権者を会社代表者以外にできるように設定しておくことも大切です。

※活用の注意点
保険金収入については、税務上、多額の益金となります。その活用などについて、顧問税理士に相談のうえ、十分に検討する必要があります。

④ 銀行への連絡

資金の動きが止まると、借入金の返済が一時期滞る可能性もあります。また、銀行借入について会社代表者が連帯保証を行っている可能性もあります。 そのため、銀行への連絡もしておいた方がいいでしょう。

⑤ その他名義変更

旧代表者名義のもの、例えば、借入金の担保や保証人、印鑑証明などについては、新しい代表者名義に変更する必要があります。

3. 新代表の選任までの流れ

① 株主の確認

後述するとおり、新しく役員を選任するには、基本的に株主総会での決議が必要です。
そのため、前提として、株主を確認する必要があります。

確認方法

法人の確定申告書にある同族会社等の判定に関する明細書【参考画像添付】。

簡単に株主を確認することが出来ます。

【参考】
http://www.z-irazu.jp/pdf/betu2.php

株主名簿

株主名簿を作成している場合、より正確に株主を把握することができます。
作成していない場合には、上記明細書をもとに確認し、必要に応じて、調査する必要が有ります。

② 株式の相続人への連絡

旧代表者が保有していた株式も当然に相続の対象となります(民法896条本文)。そのため、旧代表者の共同相続人が株式を相続した場合、遺産分割がなされるまで、その株式は、共同相続人の準共有になります(民法264条参照)。株式を単独所有するには、相続人の間で遺産分割協議を行う必要があります(民法907条1項)。

旧代表者がほとんどの株式を保有している場合であれば、旧代表者の遺族がその株式を相続することになるので、遺族の協力が必要になります(民法896条、898条、会社法106条参照)。滞りなく手続きを進めるため、すぐに連絡を取るようにしましょう。

③ 株式の権利行使者を決める

遺産分割がスムーズに行われるのが理想ですが、長期化する場合もあります。
そこで、遺産分割が成立する前に、株主総会を行う必要がある場合、株式の準共有者(相続人の間)で、一時的に議決権を行使するものを決めるという方法も可能です。

具体的には、共同相続人の中から株式の権利行使者を一人定めて会社にその者の氏名等を通知すれば、その者が株主として株主総会における議決権(会社法105条1項3号)行使することができます(会社法106条本文)。

共同相続人の中から株式の権利行使者を決める方法は、相続人の共有持分の過半数による多数決で決めます(民法252条参照、最判平成9年1月28日民集第181号83頁)。

※指定・通知なしに権利行使をする場合
権利行使者を共同相続人全員で決められなかった場合でも、当該権利行使が民法の共有に関する規定に従っていて、株式会社の同意があれば認められます。そして、共有に関する規定に従った権利行使とは、特段の事情がない限り、各共有者の持分の価格に従いその過半数で決せられる、とされています(最判平成27年2月19日民集69巻1号25頁)。

④ 代表者の選任

取締役会を設置している会社(「取締役会設置会社」)の場合

代表取締役の選定機関:取締役会

取締役会設置会社の場合、取締役の選任は、株主総会で行います。一方、取締役の中から代表取締役を選ぶ権限は取締役会にあります。
取締役会は、取締役が3人以上いることが必要なので、旧代表者を除いても取締役が3人以上いる場合には、株主総会での選任によることなく、取締役会で代表取締役の選定をすることができます(会社法362条2項3号参照)。

※取締役の数が2人以下の場合は、先に株主総会で取締役の選任をしましょう。

手続

取締役会の決議で代表取締役を選ぶには、取締役会を招集し(会社法368条1項。366条参照)、議決権に加わることができる取締役の過半数が出席し、出席した取締役の過半数(これらの要件は加重することができる)の賛成が必要です(会社法369条1項)。

代表取締役を選定したら会社の登記簿の変更が必要になるので(会社法915条1項、911条3項14号)、忘れずに行いましょう。

取締役会を設置していない会社(「取締役会非設置会社」)の場合

代表取締役の選定機関:株主総会取締役会非設置会社であれば、会社経営者となる取締役を選任する権限だけでなく、その中から代表取締役を選定する権限も株主にあります。ただし、定款に代表取締役の定めがある場合や、定款に取締役の互選が定められている場合は、それに応じた手続を行う必要があります(会社法349条3項)。

手続

まず株主を集めることから始めます。株主に対して招集通知を行い(会社法299条1項)、その後、株主総会を開催して新しい取締役を選任することになります(会社法329条1項、309条1項)。

またこの場合も登記簿の変更が必要になります(会社法915条1項、911条3項13号)。

仮代表の選任

裁判所が必要があると認めるときは、利害関係人の申立てによって一時的に代表取締役の職務を行うべき者(「一時取締役」という)を選任することができます(会社法351条2項、1項。352条参照)。

4. 相続人からの株式買取も検討

旧代表者の相続人が、上記のように会社経営に協力的であればよいのですが、例えば、相続人が全く会社に関わろうとしない場合や、明らかに会社にとって不利益となるような株式の行使を使用とする場合など、時に好ましくない相続人が株式を取得することもあります。

このような場合は、譲渡制限のある株式を相続などにより承継した者に対して、その株式を会社に売り渡すことを認める旨の規定をあらかじめ定款に定めておけば、会社側が強制的に株式を買い取ることができます(会社法174条以下参照)。

具体的な流れは以下のとおりです。

5. 会社の解散・清算を行う場合

旧代表者の影響力が大きかったため、旧代表者の逝去をきっかけに会社をたたんでしまうというのも考えられる選択肢の一つです。

株式会社の場合、代表者の死亡によって会社が解散(会社の法人格を消滅させること)するわけではありません。また残った従業員によって会社を解散させると決めたとしても、それによって直ちに会社の法人格が消滅するわけではありません。

会社の解散の原因となるものとしては、

  • 定款で定めた存続期間の満了
  • 定款で定めた解散の事由の発生
  • 株主総会の特別決議による解散の決定
  • 合併(合併により、その株式会社が消滅する場合に限る)
  • 破産手続き開始の決定
  • 解散命令・解散判決

がある場合です(会社法471条参照)。

また解散が行われても、解散に続く清算手続きが行われ、清算が結了するまでは会社の法人格は残り続けます。詳しくは別稿に譲りますが、ここでは会社をたたんでしまうという選択肢をとっても、会社を完全に消滅させるためにはいくつかの手続きが必要だということを覚えておきましょう。

【解散までの流れ】

  • 株主総会の解散決議・清算人の選任
  • 現状の業務の終了・清算事務開始
  • 解散・清算人の登記
  • 解散日の財務目録と賃借対照表の作成と株主総会の承認
  • 債権申出の公知及び知られたる債権者への通知
  • 債権取立て・財産換価処分・債務弁済
  • 清算事業年度の株主総会
  • 残余財産の確定・分配
  • 決算報告の作成・株主総会の承認
  • 清算結了登記

いずれにしても、後継者争いなどが生じると泥沼化する危険性が高いので、旧代表者がご存命の間に事業承継について検討することが、トラブルの原因を解消する一番の方法です。会社の未来のためにも、事業承継についてしっかり検討するようにしましょう。

特に株式の帰属で紛争が生じると、代表者をスムーズに選ぶことができず、今後の方針決定に大きな支障が生じます。事前に遺言や生前贈与などの対策を検討することをおすすめします。

6. おわりに

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