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借地権つき建物を相続したら?相続の手順と相続後の注意点を確認

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借地権つき建物を相続したら?相続の手順と相続後の注意点を確認

【読んでいただきたい方】

・借地権付き建物を相続して、今後利用を予定している人。

【目次】

1. はじめに
2. 持ち主が亡くなってから借地を取得するまでの流れ
① 相続の開始
② 遺言書の調査
③ 相続人の調査
④ 相続財産の調査
⑤ 遺産分割協議
⑥ 相続税の申告
⑦ 名義変更
3. 地主との関係で注意すること
① 借地権を相続によって取得した場合
② 借地権を遺贈によって取得した場合
4. おわりに

1. はじめに

土地や建物をお持ちの方が亡くなられると、その方の土地・建物が配偶者や子に相続されます。借地権付建物をお持ちの方が亡くなられた場合も、その方の借地権も、他の財産と同様に相続の対象となります。
では、借地権付建物を相続した場合には、何か手続きが必要になるのでしょうか。また、必要になるとして、それはどのようなものなのでしょうか。例えば、地主の方との間で何かする必要があるのでしょうか。

この記事では、
借地権付建物を相続したが、
どのような流れで手続きを行うべきかわからない。 相続の際に注意すべき点はなにかあるか。 など、借地権の相続における基礎知識を解説していきます。

神楽坂総合法律事務所は、年間100件以上、不動産・相続に係る案件の受任・相談に取り組む、不動産相続に注力した事務所です。また、当事務所は、不動産会社と提携して、不動産の売却や買取のサポートにも対応しています。
当事務所でも、相続を契機に、借地権付き建物の明渡しを要求を受けたという事案がありました。このケースでは、当職が相続手続きを完了し、契約書を作成して、建物の利用を継続することができました。
また、借地権付きマンションの相続を契機に、契約内容の変更を地主から求められた方で、当方が確認したら、地代のみならず、借地権譲渡承諾や更新料の点で、不利な変更が記載されていたというケースもありました。そこで、当職が代理して、地主と交渉して、借地権の契約内容を維持しました。

借地権付き建物を相続してこのまま使っていくうえで、わからないことがある方、不安がある方は、一度ご連絡ください。

2. 持ち主が亡くなってから借地権を取得するまでの流れ

まずは、相続がどのように進んでいくのか、借地権が相続されるまでを見ていきましょう。

①相続の開始

相続は、被相続人が亡くなった時に開始されます(民法882条)。そして、それだけで、被相続人の財産に属した一切の権利義務は相続人に承継されます(896条)。

②遺言書の調査

まず、遺言があれば、その内容に従って相続することになります。
遺贈についての記載があれば、「遺贈」によって借地を譲り受ける場合もあります(964条)。この場合には、地主からの承諾を得る必要があります(後述)。
なお、遺言の中でも、自筆証書遺言(968条)と秘密証書遺言(970条)の場合には、家庭裁判所に提出して「検認」という手続きを受ける必要があります(1004条1項)。

③相続人の調査

遺言に定めがない場合には、相続人で遺産分割協議をする必要があります。その前提として、相続人が誰であるのかを戸籍謄本等で確かめておきましょう。

※相続放棄、限定承認の判断(3ヶ月以内)
故人に多額の借金がない場合など、故人の財産を相続したくない場合には、相続があったことを知った日から3ヶ月間の熟慮期間内に①相続を放棄する、②限定承認をする、のどちらかを選択することができます。検討に時間がかかる場合は、熟慮期間の延長をすることができます。熟慮期間内にどちらの手続きも行わない場合には、通常通り相続することを認めた(単純承認といいます)とみなされます(915条1項、921条2号)。

④相続財産の調査

遺産分割の前提として相続財産を確定する必要があります。故人の預金通帳や納税通知書等を確認し、相続財産を調べましょう。
相続では、原則として、被相続人の財産上の権利義務を全て引き継ぐことになります。そのため、相続財産は、借金や保証債務などのマイナスの財産も調査して、「財産目録」を作成しましょう。

⑤遺産分割協議

確定した相続人たちの間で遺産分割協議を行い、誰が何をどれだけ相続するのかを話し合って、その分を相続するということになります(907条1項)。相続人が1人だけなのであれば、その方が借地権を相続しますし、相続人が複数いる場合には、協議の結果次第では借地権を相続することがあるといえます。

相続人全員の合意がなければ協議は成立しません。そのため、全員が納得できるまでよく話し合う必要があります。

協議が整わない場合は、家庭裁判所の調停手続きを利用することができ、それでも合意に至らない場合は、審判手続きに移行し、財産の種類や相続人の年齢、生活状況などを考慮して、裁判官が審判します。
さらに、審判手続きに不服がある場合、原則として審判の告知を受けた日から2週間以内に即時抗告という不服申立てが可能です。

遺産分割協議で合意に至ったら、遺産分割協議書を作成して、協議の内容を明らかにします。遺産分割協議書は、相続税の納付や相続登記の際に必要になります。

⑥相続税の申告

相続税の対象となる高額な財産を相続した方は、相続開始を知った日の翌日から10ヵ月以内に相続税を申告・納付しなければなりません。

相続税がかかるのは、基礎控除額を超える場合です。

相続税の申告は、複雑であるため、税理士などの専門家に依頼する方が無難でしょう。
当事務所では、相続税専門の税理士事務所等と提携する等しており、相続税申告についても、一括してサポート致します。

⑦名義変更

登記手続自体に期限はありませんが、相続登記を怠ると、後にトラブルになりかねません。そのため、不動産を相続した方は、早めに相続登記を行いましょう。

3. 地主との関係で注意すること

① 借地権を相続によって取得した場合

地主の承諾

借地権を譲渡する場合には「賃貸人(地主)の承諾」が必要となります(612条1項)。承諾のない借地の譲渡は許されないため、これに違反するとその土地に関する賃貸借契約を解除されてしまう場合もあります(同条2項)。

しかし、「相続」と「譲渡」は異なります。そのため、相続によって借地権を取得した場合には、地主の承諾は必要ないということになります。

通知と家賃の支払い

通常、被相続人が亡くなって、契約名義を引き継ぐ場合、地主に通知を行います。この際、家賃の支払方法等をきちんと確認して、滞納がないようにしましょう。
なお、遺産分割が終わる前であっても家賃を滞納していると、債務不履行解除の問題があります。借地権を相続する予定の場合には、家賃の支払を忘れないようにしましょう。

新たに契約をするか検討

借地権を相続して契約名義が変わっても契約内容はそのまま引き継いでいることになります。そのため、敢えて契約書を作成する必要はありません。

しかし、実際には、契約名義が変更されているため、地主から契約内容が提示されて新たに契約をする場合が多いです。もし、契約内容が提示された場合には、内容を丁寧に確認しましょう。地主から提示された契約書をみて「賃料が同じだから、同じ契約内容だろう」と安易に契約してしまうと痛い目にあうかもしれません。

現に、当職が担当した事案でも、借地権付きマンションの相続を契機に、契約内容の変更を地主から求められた方がいらっしゃいました。当職が契約内容を確認したところ、地代のみならず、借地権譲渡承諾や更新料の点で、不利な変更が記載されていました。そして、結果的には、当職を介して、地主と交渉し、借地権の契約内容を維持することが出来ました。

契約をする場合には、きちんと契約内容について専門家に確認することをおすすめします。
お困りの際はぜひ当事務所までお気軽にご連絡ください。

登記

また、被相続人から借地権と借地上の建物を相続した場合には、建物の名義を被相続人名義から相続人名義に変更しておく必要があります。

例えば、地主の方が、その土地を第三者に売却してしまった場合を想定しましょう。地主から土地を買った第三者は、その土地を自由に使いたいと思うはずです。そのため、土地の賃借人には出ていってほしいと思うのが普通でしょう。一方で、借りている側としては、「借りているんだから出て行かなくてもいいはず」と思うはずです。ただし、借りている側がこの主張をするためには、一定の条件を満たさなければならないとされています(605条、借地借家法10条1項)。それが、①借地権を登記すること、②建物の所有名義を有すること、のいずれかです。一般的には、②の方法が採られることが多いです。

この、②建物の所有名義について、判例は、「地上建物を所有する賃借権者が、自らの意思に基づき、他人名義で建物の保存登記をしたような場合には、当該賃借権者はその賃借権を第三者に対抗することはできない」としています(最判昭和41年4月27日民集20巻4号870頁)。例えば、建物の所有者は父なのに名義を子供にすると無効な登記となり、第三者に借地権を主張することができないことになります。

これに対し、もともと有効だった登記について相続登記をしていないにすぎない場合には、借地権が対抗できるとも考えられています(大判昭和15年7月11新聞4604号9頁)。しかし、そのまま借地上の建物の名義を変更することを怠っているとトラブルになる可能性があります。後のトラブルを避けるためにも、早めに登記をしましょう。

② 借地権を遺贈によって取得した場合

遺贈とは、遺言によって特定の人に対し、死亡時に全部又は一部の財産権を与える意思表示のことをいいます(964条)。

一般に「相続人に〇〇を相続をさせる」という遺言は遺贈ではなく、遺産分割の方法を指定したと解されます。逆に、相続人に対して「〇〇を遺贈する」という遺言の記載がある場合には、遺贈になります。
相続人以外の者に対しては、遺贈しかできません。

地主の承諾

遺贈によって借地を取得した場合には、地主に対して、借地権の遺贈があったことを通知して、承諾してもらう必要があります。その際には、承諾料の支払いを求められることがあります。承諾料の相場として、「借地権の価格の10%程度」が目安であると言われています。あくまで目安であるため、その他様々な事情を考慮して決定されます。

地主の承諾が得られない場合には、家庭裁判所に申し立てて、地主の承諾の代わりになる「許可」をもらうことが考えられます。(借地借家法19条1項参照)。

建物の名義変更

地主の承諾又は承諾に代わる許可が得られたら、あとは相続によって借地を取得した場合と同様の状況になります。したがって、借地上の建物の名義変更を行いましょう。

4. おわりに

このように、借地を相続・遺贈によって取得するとはいっても、地主の承諾を得たり、所有名義人の変更手続きを行なったりする必要があり、これらを放置するとせっかく取得した借地を失ってしまう場合もあるということがご理解いただけたと思います。

このようなことを避けるべく、故人の思い出が詰まった大切な建物を守るためには、スムーズな対応を行うことが必要不可欠といえるでしょう。そのためには、法的な専門知識や相続に関する豊富な経験が必要となります。それらを兼ね備えた弁護士が、皆様の借地・借地上の建物を守るべくお手伝いいたします。

神楽坂総合法律事務所は、千代田区、中央区、港区、渋谷区、文京区などの東京23区を中心に、東京都、神奈川県、埼玉県、千葉県などで、借地権の更新拒絶・地代の値上げ・登記の名義変更・明け渡し請求・更新料・増改築禁止特約・トラブルの対応など、さまざまな借地権の法律問題について、相談を承っております。 お悩みの際はお気軽に当事務所までご相談ください。

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