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トラブルになりやすい更新と更新料の注意点

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トラブルになりやすい更新と更新料の注意点

【読んでいただきたい方】

不動産を借りているけれど、
・「契約更新のために何をしたら良いのかわからない」
・「更新料をいくら払わなければならないのかわからない」
とお困りの方

【目次】
1. はじめに
2. 更新の種類
① 合意更新
② 法定更新
3. 更新料を支払わなければならない場合とは?
① 契約書に更新料の記載がある場合
(ア) 合意更新の場合
[原則]更新料の支払義務がある
[例外]更新料を支払わなくていい場合もある
(イ) 法定更新の場合
更新料支払義務が認められた事例
更新料支払義務が認められなかった事例
② 契約書に更新料の記載がない場合
[原則]更新料を支払わなくていい
[例外]過去の更新料の支払い実績からかんがみて、次回更新が法定更新でも更新料の支払義務が生じる(東京地判平成28年3月29日)
4. 更新料の金額?
5. おわりに

1. はじめに

借地契約を更新する場合、「更新料」を請求されることがあります。
この「更新料」とは、借主と貸主で合意して契約を更新する場合に、その対価として借主が支払う金銭のことです。

更新料については、その性質に応じて支払義務が生じるときと生じない場合があり、「よくわからない」と感じている方もいらっしゃると思います。

この記事では、

  • 更新料を支払わなければならないのはどのような場合か?
  • 更新料はいくら支払わなければならないのか?

など、借地契約の更新における注意点を解説していきます。

神楽坂総合法律事務所は、年間100件以上、不動産・相続に係る案件の受任・相談に取り組む、不動産相続に注力した事務所です。また、当事務所は、司法書士・土地家屋調査士との協働し、不動産に関する一連の手続きをワンストップで対応しています。

当事務所は以下のような事案にも対応しています。

【更新料不払を理由とする明渡請求に対する対抗】
賃貸借契約期間満了後、借主のご依頼者様は更新料不払いを理由に明渡請求を受けました。これに対して、当事務所が貸主の方と交渉し、更新料なく明渡請求を退けました。

【期間満了に伴う明渡請求に対する立退料請求】
賃貸借契約期間満了後、借主のご依頼者様は、契約期間満了を理由に明渡請求を受けました。これに対して、当事務所が裁判対応を行って、3000万円の立退料を判決で認めてもらいました。結局、貸主は、立退料が支払えず、ご依頼者様は、借地を継続利用できています。

法的な知識がないと支払わなくてもいい更新料を支払ったり、明け渡す必要のない土地を明渡したりする等、数百万円~数千万円単位で損をする危険性があります。借地契約の更新でトラブルとなっている方は、一度ご連絡ください。

2. 更新の種類

そもそも、借地契約の更新とは、期間の定めのある契約において期間の経過後も借地契約を継続させることをいいます。借地契約の更新には「合意更新」「法定更新」があります。

更新の際には更新料を支払うことが義務なのか任意なのかというケースがそれぞれ考えられるため、更新をする際に地主から更新料を求められた時は、賃貸借契約書に更新料の記載があるかどうかを確認するようにしましょう。

① 合意更新

合意更新とは、当事者双方が話し合い、納得した上で契約を更新することをいいます。この時、契約内容をそのまま維持するか、条件のいくつかを変更するかなども話し合います。

② 法定更新

法定更新とは、契約期間が満了した際、借地人が契約の更新を請求した場合や借地人が土地上の建物の使用を継続する場合に自動的に契約が更新されたとみなすことをいいます(借地借家法5条1項本文・2項)。借地契約は、少なくとも法定更新されることが原則で、貸主が更新を拒絶するには、正当事由が必要になります(同法6条)。

3. 更新料を支払わなければならない場合とは?

では、一体どのような場合に更新料を支払う必要があるのでしょうか。以下では、契約書に更新料の記載がある場合とない場合にわけ、それぞれどのような場合に更新料を支払う義務があるのか解説していきます。

① 契約書に更新料の記載がある場合

まず、当事者間で、更新料を支払うことを約束し、それを契約書に記載していた場合、原則更新料を支払う必要がある、と覚えておきましょう。合意更新、法定更新で分けてみると以下のとおりです。

(ア) 合意更新の場合
[原則]更新料の支払義務がある

【理由】
その金額が相当であれば、更新料支払いの合意は有効とされています。

[例外]更新料を支払わなくていい場合もある

①更新料の支払合意が反社会性をおびていて、暴利行為となるような場合
居住用建物の賃貸借に関して、更新料の額が賃料の額、更新までの期間等に照らし 高額にすぎるなどの特段の事情がある場合、

【理由】
上記のような場合、更新料について記載した条項が無効になる。
ただし、最判平成23年7月15日では、更新料額を賃料の2ヶ月、更新期間を1年とする条項は有効であると判断されています。

(イ) 法定更新の場合

法定更新の更新料について規定がある場合でも、文言次第では更新料の支払いが認められないケースと認められるケースがあり、契約書の文言次第となります。

更新料支払義務が認められた事例

一般的には、法定更新の際にも更新料を支払うということが記載されていれば、法定更新の際にも更新料の支払義務があります(法定更新の場合に更新料支払い特約の適用を肯定した裁判例として、東京高判昭和53年7月20日判時904号68頁、東京地判昭和57年10月20日判時1077号80頁等)。

更新料支払義務が認められなかった事例

しかし、特約条項に「期間満了の場合は双方合意のうえ更新することもできる」と記載されている場合など、条項の記載によっては、「合意更新」を予定して更新料が規定されたものであり法定更新の更新料について定めたものではないと解釈することもできます。この場合、法定更新の際の更新料は支払わなくてもよいとされたケースがあります(東京高判昭和54年2月9日判時927号200頁)。

② 契約書に更新料の記載がない場合

次に更新料を支払う旨の記載が契約書にない場合や合意がない場合、基本的には貸主から請求されても借主に更新料を支払う義務はありません。

[原則]更新料を支払わなくていい

【理由】

  • ・法定更新に際し、地主の請求があれば当然に更新料支払義務が生ずるという慣習法は存在しないというのが現在の判例の立場(最判昭和51年10月1日)。
  • ・合意更新に際し、更新料を支払う約束をしていたとしても、契約書に更新料の記載がなければ裁判でそのような更新料の合意を証明することは難しい。
[例外]過去の更新料の支払い実績からかんがみて、次回更新が法定更新でも更新料の支払義務が生じる(東京地判平成28年3月29日)

【理由】

  • ・過去に複数回の更新料の支払い実績があった、問題となった更新の際にも更新料の額や算出方法が一定であったこと、今回問題となった地主への更新料以外にも、別に借りている土地の地主へも更新料を支払っていたという常習性から、法定更新の場合でも更新料の支払義務が認められる。
  • ・地主側に不当な請求がなかったことも考慮すべき

【注意点】
過去に更新料の支払いをしていたとしても、次の更新でも更新料の義務が発生するとは限らない。

【理由】
過去の更新料は、その当時の限定的な合意の下で更新された「合意更新」であり、次の更新のときにまで支払うことまで合意したとはいえないため。

以上をまとめると、更新料を契約時に定める場合には次のようなポイントを押さえておかねばなりません。

  • 「更新の際に更新料を必要とするか否か」
  • 「法定更新の際にも更新料を必要とするか否か」

この2点は確実に押さえておきましょう。

なお、更新料を支払うことによって賃借人側にメリットがあるわけでは特にありませんので、更新料等のトラブルがあった場合や更新料を不当に高く請求された場合には、その支払いを拒絶することも検討すべきです。迷ったら当事務所までご相談ください。

4. 更新料の金額?

① 更新料の相場

更新料に相場は、東京都内の場合、更地価格の3%、借地権価格の5%と言われることがあります。もっとも、一般的には以下のような式で求められることも多いですが、どれを採用するかは場所や物件等を考慮して、ケースバイケースとなります。

更新料=更地価格×借地権割合×5~10%
※借地権割合は、相続税路線価図に記載されています。

又は

更新料=更地価格×3~6%

又は

更新料=年額支払地代の4~8年分

② 更新料の金額又は計算方法を契約書に明示する効用

更新料の金額を契約に規定してあるか否かによって、更新料不払いを理由に契約解除できるかどうかが左右されます。またトラブル防止の観点からも金額をいくらにするかということも規定しておくことが大切です。

法定更新の更新料支払い及び、金額の指定もしていた場合

更新料不払は、債務不履行となり借地契約が解除される。

【理由】
新料の金額も定めているため「その金額」を支払うことが法的な義務となるから

更新料の支払義務のみで、更新料の金額指定をしていない場合

更新料不払いでも、債務不履行とならない可能性がある。

【理由】
この場合、主に「相場相当額の更新料を支払う」といったような規定がされていることが多いですが、このとき、「相場相当」という額が不明確で、その違反の指摘ができないため

【注意点】
最近では、相続税路線価の何%を更新料とするといったケースもありますが、この場合には具体的な支払額が算出できるため、更新料の支払いをしないことによって契約解除される危険性があります。

5. おわりに

契約の更新と更新料については、具体的な事案に応じて対応が変わってくる可能性があります。生活や営業の拠点である不動産の契約更新についてのトラブルは、対応を間違えるとその損失は大きくなりがちなため、ご不安な点も多いかと思います。

契約の更新についてトラブルが生じた場合、不安に思われることがある場合は、迷わず、当事務所へご相談ください。

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