誰かに貸している不動産を相続した場合は注意が必要です。相続開始から遺産分割までの間に発生した家賃収入をめぐってトラブルに発展する可能性があります。
相続が開始すると、被相続人が有していた不動産は遺産となります(民法896条本文)。遺産分割協議が行われ、その不動産の所有者が決まれば、所有者となった相続人が相続開始日にさかのぼって不動産を相続することになります(民法909条本文)。
ここで、相続開始前から遺産となる不動産を誰かに貸していた場合、賃貸人という地位も相続人に承継され、そのまま賃貸借契約は継続します。遺産分割までの間、遺産は共同相続人の共有に属するため(民法898条)、各共同相続人は共同して賃貸不動産を使用・管理することになります。
そして判例によれば、相続開始から遺産分割までの間に生じた家賃収入は、各共同相続人が相続分に応じて取得するとしています(最判平成17年9月8日民集59巻7号1931頁)。
一見、遺産分割により所有者となった相続人が家賃収入の全部を得るようにも思えます(前述した909条本文参照)。しかし、相続開始から遺産分割までの間に生じた家賃は、遺産ではなく、相続が開始した後に共同相続人の共有財産に関して生じたお金であると、裁判所は判断したのです。
よって、それぞれの相続人は、相続開始から遺産分割までの間に生じた家賃収入について、相続分に応じて取得できるため、通常、家賃は各人に分割して帰属することになります。
しかし、これは貸している側の事情に過ぎず、借りている側は共同相続人のうちの誰か一人に支払えばよいのです。そのため、共同相続人の間で、誰が代表して家賃を受け取るか、受け取った家賃をどのように分配するかを事前に決めておかなければ、家賃を独占する相続人が現れる可能性もあります。
よって、賃貸不動産を相続する場合は注意しましょう。
相続が開始すると、被相続人が有していた不動産は遺産となります(民法896条本文)。遺産分割協議が行われ、その不動産の所有者が決まれば、所有者となった相続人が相続開始日にさかのぼって不動産を相続することになります(民法909条本文)。
ここで、相続開始前から遺産となる不動産を誰かに貸していた場合、賃貸人という地位も相続人に承継され、そのまま賃貸借契約は継続します。遺産分割までの間、遺産は共同相続人の共有に属するため(民法898条)、各共同相続人は共同して賃貸不動産を使用・管理することになります。
そして判例によれば、相続開始から遺産分割までの間に生じた家賃収入は、各共同相続人が相続分に応じて取得するとしています(最判平成17年9月8日民集59巻7号1931頁)。
一見、遺産分割により所有者となった相続人が家賃収入の全部を得るようにも思えます(前述した909条本文参照)。しかし、相続開始から遺産分割までの間に生じた家賃は、遺産ではなく、相続が開始した後に共同相続人の共有財産に関して生じたお金であると、裁判所は判断したのです。
よって、それぞれの相続人は、相続開始から遺産分割までの間に生じた家賃収入について、相続分に応じて取得できるため、通常、家賃は各人に分割して帰属することになります。
しかし、これは貸している側の事情に過ぎず、借りている側は共同相続人のうちの誰か一人に支払えばよいのです。そのため、共同相続人の間で、誰が代表して家賃を受け取るか、受け取った家賃をどのように分配するかを事前に決めておかなければ、家賃を独占する相続人が現れる可能性もあります。
よって、賃貸不動産を相続する場合は注意しましょう。