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借地上の建物は売れる!

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借地上の建物は売れる!

【読んでいただきたい方】

・借地権付きの建物を相続したけれど、その借地権付き建物を売却したい人
・地主が借地権譲渡に承諾してくれずに困っている人
と借地上の建物の売買に関するトラブルでお困りの方

【目次】

1. はじめに
2. 借地上の建物を処分する場面でよくあるパターン
3. 借地上の建物の売却にあたって必要なことは?
① 地主に承諾してもらうようお願いに行く
② 承諾してくれない場合には…?:承諾に代わる許可
4. 承諾に代わる許可について
① 借地権者の申立て
② 手続の流れ
③ 裁判所は、どのような場合に許可を与えてくれるのか
④ 裁判所は、どういう事情を考慮して許可するかどうかを決めるのか
⑤ 許可にあたって、何か金銭を払う必要があるのか
5. おわりに

1. はじめに

土地を借りて、その上に、ご自身の家を建てられている方もいらっしゃる方も多いのではないでしょうか。このような借地契約は、だんだんと減ってきてはいますが、父親や祖父から家を相続したという方で、借地権付き建物を相続されたという方も一定数いると思います。

借地上の建物とはいっても、その名義は、土地の借地人となっている以上、その建物自体を売ることはできます。

ただし、借地であることによって生じる注意点に気を付ける必要があります。
注意点を見落とすと、買主とトラブルになるのみならず、あなたの大切な財産である借地権付き建物を取り壊して、土地を地主に返さないといけない!なんてことになりかねません。

ここでは、借地権を譲渡する前提として、
地主の承諾を得る方法 承諾が得られない場合に裁判所から承諾に代わる許可を得る方法 について確認しておきましょう。

神楽坂総合法律事務所は、年間100件以上、不動産・相続に係る案件の受任・相談に取り組む、不動産相続に注力した事務所です。また、当事務所は、不動産会社と提携して、不動産の売却や買取のサポートにも対応しております。さらに、代表弁護士は、実際に不動産投資を行っております。

借地権利付き建物に困っている方、不安がある方は、一度ご連絡ください。
契約締結前の売買契約書の簡易の有料相談も可能です。

2. 借地上の建物を処分する場面でよくあるパターン

借地上の建物を処分する場面で、よくあるのは、ご家族が所有されていた借地権付き建物を相続する場面です。
相続人は、既に、自分の持ち家があるような場合、もう一つの建物を維持・管理したうえ、さらに地代を支払うというのは大きな負担です。

そのような場合に、借地上の建物を処分するという選択をとるということがあります。
そして、処分の方法としては、

  • ①借地契約を解除し建物を取り壊したうえで、更地にして地主に返す方法
  • ②借地権付き建物を第三者へ売却する方法
  • ③地主と協力して、第三者へ底地と一緒に借地を売る方法

があります。
今回は、②についてみていきたいと思います。

3. 借地上の建物の売却にあたって必要なことは?

借地上の建物を売却する際には、借地権もともに譲渡する必要があります。
というのも地主から土地を使ってもよいと認めてもらう借地権と建物の所有権はあくまで別々の権利であるため、建物の所有権だけを持っていても、「その土地を使ってもいいですよ」という許可がなければ、地主から、建物を取り壊して土地を明け渡すよう請求されてしまう危険性があります。

もっとも、一般に、建物の売却にともなって、その借地権は当然に買主に譲渡されるものと解されています。ただし、これはあくまで売主・買主間の問題であり、民法では、借地権を譲渡するにあたっては、「地主(賃貸人)の承諾」を得なければならないとされています(民法612条1項)。

したがって、まずは「地主の承諾」が必要となります。
では、この承諾を得るためにはどうすれば良いのでしょうか。

① 地主に承諾してもらうようお願いに行く

最初から法的な手続き(訴訟など)や弁護士へ依頼する必要はありません。

まずは、地主と話し合いをし、借地権の譲渡の承諾をしてもらえるようにお願いをしに行きましょう。任意に承諾してくれる場合には、それで問題ないということになります。

譲渡先が決まっている場合の注意
  • どういう人が使う予定なのか
  • 建物の建て替えや、再度の借地権売却があるのかといった借地の利用の予定

についても、地主と共有しましょう。

仮に売り先について明確に決まっていない場合の注意
  • 地主に承諾の意向があるのか
  • 譲渡先に関して何か制限はあるのか
  • 譲渡承諾料についての意向等

についても確認しておきます。
実際に、買主が決まった際には、改めて、地主に対して、買主の情報を共有し、承諾を得るようにしましょう。

なお、借地契約によっては、そもそも借地権譲渡の承諾を不要と規定しているものもあります。その場合、地主から借地権譲渡の承諾をもらう必要はありません。もっとも、借地人が変わると地代支払者も変わるため、地主に対しては、借地権譲渡について事前に通知するようにしましょう。

② 承諾してくれない場合には…?:承諾に代わる許可

承諾をお願いしても、地主に、「土地を返してもらいたい」、「やはり自分で使用したい」等の要望があれば、承諾を頑なに拒まれてしまうことがあります。

「譲渡自体はいい」という場合でも、高額の承諾料の支払いを要求され、その承諾料が払えず、事実上、譲渡できないというようなこともあるかもしれません。

しかし、借地権付き建物は、それだけで高額な財産です。いくら地主であっても恣意的にその処分を妨害することは社会的に相当ではありません。
そのため、このような場合を想定した手続きが用意されています。

借地借家法19条1項前段:
借地権者が借地権の目的である土地の上の建物を第三者に譲渡しようとする場合において、その第三者が賃借権を取得し(中略)ても借地権設定者に不利となるおそれがないにもかかわらず、借地権設定者がその賃借権の譲渡(中略)を承諾しないときは、裁判所は、借地権者の申立てにより、借地権設定者の承諾に代わる許可を与えることができる。

つまり、借地権の譲渡を承諾すると、地主にとって不利益になるようなことがあるわけでもないのに、借地権の譲渡を承諾してくれないときには、裁判所が地主の承諾の代わりの役割を果たす「許可」を与えてくれるということです。

4. 承諾に代わる許可について

以下では、承諾に代わる許可を得るための手続きや要件についてみていきましょう。

① 借地権者の申立て

まず、この許可を得るためには、借地権者、つまり借地上の建物の所有者が裁判所に申し立てをしなければなりません。

※ そのため、買主に先に所有権を移転させてはいけません。売主・買主間の売買契約において、借地権譲渡承諾の取得義務や譲渡承諾料の支払義務は、売主側にある場合が多くなっています。

申し立てる場所は、:借地の所在地を管轄する地方裁判所(借地借家法41条本文)です。
もし、当事者間で合意があれば、簡易裁判所に申し立てることもできます(同条ただし書)。

② 手続の流れ

以上が、手続きのおおまかな流れです。

③ 裁判所は、どのような場合に許可を与えてくれるのか

上記の条文によれば、「借地権を売却する相手が借地権を取得しても、地主にとって不利となるおそれがないとき」に許可を与えてもらえるということが読み取れます。

そこから次のことがいえます。

誰に借地権を譲渡するのか特定されていなければならない

裁判所が、地主にとって不利となるおそれがあるかどうかを判断するためには、「どのような人がその土地を使うのか」が大変重要な要素となります。したがって、借地権を譲渡する相手がしっかりと特定されていなければなりません。

借地権を譲渡する相手が「地主にとって不利となるおそれ」がない人であること

支払能力

例えば、継続的な収入が全くないような人が新しく土地賃借人になると言われたら、地主としてはどう思うでしょうか。「きちんと土地の賃料を支払ってくれるだろうか」と不安になるはずです。したがって、借地権を譲渡する相手の資力が重要な要素となります。

属性

また、暴力団などの反社会勢力が新しく土地賃借人になるという場合はどうでしょうか。いうまでもなく、地主の信用への悪影響等が想定され、地主にとって不利であると言わざるを得ないでしょう。したがって、借地権を譲渡する相手の信用性も重要な要素です。

条件違反

無断で増改築を行ったり、条件に違反して大型の鉄骨建物を建てかえたりしている場合はどうでしょうか。これらの事情も地主にとって不利となるおそれのある事情を肯定する判断要素です。

利用状況

また、建物で営業を行う場合、その営業が違法なものであるときや風紀上好ましくないときにも、地主にとって不利となる事情になります。

もっとも、許可の判断においては、形式的な要件が法律上定められているわけではなく、その他の事情も考慮されます。

④ 裁判所は、どういう事情を考慮して許可するかどうかを決めるのか

ここで、1つ条文を見てみましょう。

借地借家法19条2項:
裁判所は、前項の裁判(地主の承諾に代わる許可)をするには、賃借権の残存期間、借地に関する従前の経過、賃借権の譲渡(中略)を必要とする事情その他一切の事情を考慮しなければならない。

例えば、土地賃貸借契約の期間がもうすぐ満了するような場合、地主は正当事由があれば契約の更新を拒絶することができますが、その正当事由があることが予測されるような場合には、許可を与えると地主に不利になると考えられます。地主にとっては、もうすぐ契約が終了して、土地賃借人には出て行ってもらおうと考えているのに、新しい賃借人が出てくるというようなことになると、迷惑であるといえるでしょう。

⑤ 許可にあたって、何か金銭を払う必要があるのか

これについても、1つ条文を見てみましょう。

借地借家法19条1項後段:
この場合において、当事者間の利益の衡平を図るため必要があるときは、賃借権の譲渡(中略)を条件とする借地条件の変更を命じ、又はその許可を財産上の給付に係らしめることができる。

裁判所が許可する場合、地主への財産給付を条件とすることが通常です。

裁判所が、地主の承諾に代わる許可を与える場合、地主に対して一定の額の金銭の支払いという条件がつけられることが多くなっています。その基準は、「借地権価格の10%」であるといわれています。しかし、事情によって、それより多くなったり少なくなったりすることがあります。

では、借地権価格はどのように決めるのでしょうか?
借地権価格を含む不動産価格の決め方は、一般に4種類あります。

このように、借地権価格の計算は、手法もさまざまで複雑になっており、自分で正確に計算するのは難しいです。そこで、裁判所の許可を得る場合には、財産給付の前提として不動産鑑定を行うこともあります。

5. おわりに

借地権の譲渡には、地主の承諾が必要で、それが得られないとしても、裁判所に申し立てて代わりの許可をもらうという方法があるということがご理解いただけたでしょうか。

法的な知識に乏しいと、悪質な地主に承諾料を要求された場合の適切な対応が難しいことや、裁判所への申立てには専門知識や経験も必要です。 神楽坂総合法律事務所にご相談いただければ、確実な借地上の建物の売却をスムーズに行うお手伝いをさせていただきます。借地上の建物の売却をお考えの際は、ぜひ当事務所の弁護士にお任せください。

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