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借地権を相続した場合の相続の流れ

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借地権を相続した場合の相続の流れ

【読んでいただきたい方】

不動産を賃借しているけれど、
・自宅を持っているため、その借地権付き建物を売却したい人
・地主が借地権譲渡に承諾してくれずに困っている人
と借地権の相続についてお困りの方

【目次】

1. はじめに
2. 不動産を相続した場合の基本事項
① 相続の開始時期と対象
② 相続人の種類
③ 相続人の順位
④ 相続分
⑤ 相続放棄や限定承認
3. 遺産分割について
① 遺言がある場合
② 遺言がない場合
4. 相続登記
5. 相続税の申告・納付について
6. おわりに

1. はじめに

借地権の相続は、遺産分割など、様々な場面でトラブルの原因にもなり得ます。

この記事では、
そもそも借地権は相続の対象なのか? どういった流れで借地権の相続に関する手続きを進めればいいのか? 注意する点はなにか? など、借地権の相続における基礎知識を解説していきます。

神楽坂総合法律事務所は、年間100件以上、不動産・相続に係る案件の受任・相談に取り組む、不動産相続に注力した事務所です。また、当事務所は、不動産会社と提携して、不動産の売却や買取のサポートにも対応しています。
さらに、相続時共有状態になった不動産の共有物分割や持分に対する賃料相当額の請求等についても対応しています。

具体的には以下のような事例がありました。

事例1

親から不動産を相続して、遺産分割調停を行った事例で、相手方と依頼者が、換価分割を希望した事例。

当初、相手方が連れてきた不動産会社での売却価格があまりに安かったため、当方で、不動産会社をアレンジして、入札を行いました。具体的には、当初はお互いの意見が一致していたため、弊所が関与することなく進めるという話でしたが、資料を見せていただくと、売却価格の増加が見込めるものでした。そこで、当方で新たに不動産会社をつけ、不動産売却について入札制にすることで、売却価格や条件をより有利なものとしました(当初、取壊費用負担のうえ、約1億8000万円での売却だったものが、取壊費用の負担不要で、売却価格が約2億5000万円)。また、提携の司法書士、土地家屋調査士の協力のもと、不動産売却に向けて、①売買契約書の確認、②契約締結立ち合い、③不動産相続登記、④確定測量図の作成等を併せて行いました。
このケースでは、不動産業者のコネクションを活かして売却先を見つけたり、併設する司法書士・土地家屋調査士事務所と協力し、ワンストップで案件処理に対応いたしました。結果、ご相談者と相手方と併せて総額7000万円近いプラスがありました。

事例2

共同相続人から、建て替えをしたいので、不動産の共有持分を0円で放棄してほしいと求められた事案。

この事案では、祖父からの相続で、不動産は、父・叔父の共有状態となり、そのときは、二人の仲は良く、問題はありませんでした。しかし、その後、叔父は亡くなり、不動産は叔父の妻、子3名の共有にありました。そして、こちらも父が亡くなり、子2名の共有となってていました(依頼者側の共有持分は、10分の1)。しかも、建物の利用を巡って、相手方と相談者側は不仲となり、現在は、相手方のみが使っている状態でした。
しかし、最終的には、当方から、不動産の共有物分割請求と相手方が単独で使ってきた分に対して、賃料相当分の氏は支払いを要求し、結局、数百万円の支払いをしてもらっいました。

不動産の相続で困っている方、相続の結果共有した不動産の管理や処分、使い方に不満や悩みがある方は、一度ご連絡ください。

また、相続に関する内容等メルマガも発信しているのでご興味ある方は、無料で送信しますので、cotact@sogo-law-office.comまでご連絡ください。

2. 不動産を相続した場合の基本事項

ここでは、不動産を相続した場合の基本事項について確認していきましょう。

まずは、そもそも相続とはどういうものか、基本的事項を確認しましょう。

① 相続の開始時期と対象

相続は、被相続人(故人のこと)の死亡によって開始します(民法882条)。
そして、被相続人が亡くなった時までに有していた財産の全てを相続人が承継します(民法896条本文)。

※相続の対象となるもの
当然、土地や住居などの不動産も相続の対象に含まれます。そして賃借権等の不動産の利用権も相続の対象となります。住宅ローン等の借金も対象(ただし、自宅については団体信用生命保険でローンは完済されることが多いです。)になります。
相続の対象と財産の主な例は以下のとおりです。

相続の対象となる財産

一方で、相続財産の対象にならない財産としては以下のようものが考えられます。

相続の対象とならない財産

また、原則、故人の死から遺産分割までに発生した賃貸物件の賃料債権は、遺産とは別の財産であり、各共同相続人がその相続分に応じて分割単独債権として取得すると考えられています(最判平成17年9月8日民集59巻7号1931頁)。その後に遺産分割がされても、遺産分割前の賃料については各共同相続人のものになっていることについては影響を受けません。
通常は、故人の死後、不動産を管理していた人が最終的に当該不動産を相続することが多いです。相続する人が決まれば、遺産分割後に発生する家賃はその不動産を相続した人が取得することになります。

② 相続人の種類

相続人となれるのは、「血族」と「配偶者」です(民法887条以下参照)。

血族とは……
直系卑属:被相続人の子どもなど。血統が直下する者のうち、下の世代の者。
※養子も子供に含まれ、縁組の日から血族となります(民法809条)。
直系尊属:被相続人の親など。血統が直下する者のうち、上の世代の者。 兄弟姉妹

ただし、血族には相続人となる順位があり、必ずしも全員が相続人となれるわけではありません。

配偶者とは……
婚姻届出をしている夫婦相互のことをいい、内縁関係の者は配偶者に含まれません(しかし、相続権が全くないわけではありません(民法958条の3参照)。
配偶者は常に相続人となります(民法890条)。

③ 相続人の順位

配偶者は常に相続人となりますが(民法890条)、血族には相続人となる順位があります。

第1順位は被相続人の子ども(民法887条参照)、第2順位は被相続人の直系尊属(父母、祖父母など。民法889条1項1号)、第3順位は被相続人の兄弟姉妹(民法889条1項2号、同条2項)です。子どもがいる場合は、直系尊属、兄弟姉妹に相続権はありません。子どもはいないが直系尊属がいるという場合は、兄弟姉妹に相続権はありません。

また、被相続人が死亡する前に、相続人となるべき子や兄弟姉妹が相続権を失っている場合、その直系卑属が代わって相続分を受け取ることが出来ます(887条2項、889条2項)。

④ 相続分

共同相続の場合に、誰がどの割合で被相続人の権利義務を承継するかが問題になります。
相続財産に対する割合を相続分といいます。
以下では相続分がどのように定まるのか、確認していきましょう。

指定相続分

まず、遺言で相続分が指定されている場合は、その定めに従うことになります(902条)。遺言によって定められる相続分のことを指定相続分といいます。

法定相続分

指定がない場合には、民法の定めに従って、相続分が決まります(900条、901条)。法定相続分は、以下のように、一緒に相続する相続人の種類に応じて決まります。

⑤ 相続放棄や限定承認

相続することそれ自体の手続きは特に必要はありません(単純承認。民法920条以下参照)(相続をしたうえで、相続人間での話し合いを行う遺産分割や名義の変更等は別途必要です)。
一方、法定相続人となる者であっても、相続開始を知った日あるいは相続人になることを知った日から3ヵ月以内(「熟慮期間」といいます。熟慮期間は、家庭裁判所に申立てをすることにより延長することができます。)は相続放棄を行うことが出来ます(民法915条1項))。ただし、遺産を使っている場合には、相続放棄ができない可能性があるため、注意が必要です。

また要件を満たせば、相続によって得た財産の限度で、被相続人の債務の負担を承継することもできます(限定承認。民法922条以下)。ただし、限定承認は、相続人全員で行う必要があるうえ、相続財産の清算手続が必要となるため、選択の際にはこちらも注意が必要です。

3. 遺産分割について

相続財産や相続人が決まった後は、具体的に誰に何の遺産を帰属するかを決めることになります。

① 遺言がある場合

遺産分割の場面では、まず被相続人の意思が尊重されるため、被相続人の遺言がある場合は、基本的にその遺言通りに遺産分割がなされます(民法902条参照)。

② 遺言がない場合

遺言がない場合や、遺言があっても相続する割合だけを定め(例えば、「A:3分の1、B:3分の2」という遺産分割)、誰がどの財産を相続するかが決まっていない場合などでは、相続人全員による話し合い(「遺産分割協議」といいます)によって、遺産分割が行われます(民法907条1項)。

遺産分割が行われるまでは暫定的に、不動産を含め相続財産は法定相続割合において共有状態にあります。もっとも、遺産分割協議等を経た後も、このまま不動産を共有とすると相続人間で話し合って決めることも可能です。

しかし、この共有状態のままだと法律関係が複雑になってしまい、かえってトラブルの原因となります。できるだけ単独所有になるように遺産の分割を行うことが望ましいといえるでしょう。
そして、遺産共有の場合に、共同相続人間で共有を解消したいというときには、遺産分割協議をする必要があります。協議が調わない場合には、遺産分割調停(それでもだめなら審判)をすることになり、遺産分割の前に共有物分割請求をすることはできません(最判昭和62年9月4日家月40巻1号161頁)。

相続人全員が納得いく方法で分けるのはなかなか大変なことです。特に不動産は難しく、一般家庭であれば、土地やその上に立っている家以外に主な財産となるものは少なく、工夫して遺産分割を行う必要があります。

そこで、共有以外の分割方法としては、「現物分割」、「換価分割」、「代償分割」「共有からの共有物分割」があります。

現物分割

現物分割とは、相続の対象となる個々の財産を各相続人にそのまま分割する方法です。例えば、家や土地は今後とも住む予定のある配偶者が相続し、残りの財産は他の相続人が相続分に応じて相続するというように分けます。分割の手間がかからず、財産をそのまま残すことができるメリットがあります。
しかしながら現金や預金など現物で分けられる財産が他にない場合、公平な遺産分割ができません。
また、そもそも問題となっている不動産の価格の評価で意見が食い違うことが多く(家をもらう人は安く見積もり、もらわない人は他の遺産をたくさん取得できるよう高く見積もる)、遺産分割調停に発展することもあります。

換価分割

換価分割とは、不動産などの財産を売却して金銭に換え、それを相続分に応じて分割するという方法です。これにより公平な遺産分割がなされますが、財産の現物が残らないことや、売却を行うのに費用や税金と手間がかかるという問題点を抱えています。住む場所が別にあるケースなどでは有効な方法といえるでしょう。

なお、相続の場面で不動産等を現金化する場合、買い手も通常より安く買えると考えていることも多いため、買い手との交渉もしっかり行う必要があります。
また、相続人間で売却までのやり方や売れない場合の次善策、非協力的な対応をされた場合の違約金等についてもきちんとつめておかないと、いざ売却をしようとしたときに、相続人から妨害にあう等もありえます。そのため、不安がある場合、弁護士に相談しましょう。

なお、当事務所では、このような換価分割の際に、売却までサポートしております。

代償分割

代償分割とは、例えば、相続人のうちの一人が不動産などの自分の相続分を超える財産を相続する代わりに、他の相続人に金銭(代償金)を支払うという分割方法です。現物を残しながら公平な分割が可能となります。しかし、相続分以上の財産を引き受ける者が、代償金を支払う能力がない場合にはできません。また代償分割がなされた当時は支払能力があっても、時間の経過によって支払能力がなくなる可能性もあり、他の相続人にとって代償金が確実に支払われるという保証はありません。

共有からの共有物分割

遺産分割の際に、上記方法では対応できず、致し方なく、共有のままにするということも多くあります。もっとも、時間の経過とともに、このような共有状態に納得できない方がでてくることもあります。特に、共有状態の不動産を相続人の一人のみが使っている場合、実際上、その利用者のみが不動産からの利益を得ていることになり、他の相続人の不満は大きいです。

この場合、共有物分割請求をすることになります。共有からの共有物分割とは、現物分割をせずに、遺産の全部または一部を相続人の共有にするという方法です。共有物分割によって、通常の共有として民法249条以下の規定の適用を受けることになります。

その際、家賃利用分の請求をすることも検討されます。

しかし、この方法では、かえって管理処分が困難になることがありますし、相続人間で対立があると後々不満がでてくる可能性もあります。

このように、各分割方法にメリット・デメリットがあり、どのような方法で分割したらよいかは、ケースによると言わざるを得ません。相続人の全員が納得するまで話し合いを重ねる必要があるでしょう。

遺産分割協議が上手くいかず不安に思った場合には、当事務所までご相談ください。

4. 相続登記

不動産を相続する者が決まれば、相続登記を行い、その不動産の名義を変更しましょう。

相続登記は義務ではなく、また期限があるわけでもありません。しかし、不動産の名義を被相続人のままにしておくと、売却をする場合や、不動産を担保に借り入れをする場合に不便を来すことになります。また名義の変更がなされない間に次の相続が起こると、その不動産をめぐる権利関係が複雑となって、次の世代が苦労する羽目になります。さらにその不動産に関わる第三者が現れた場合は、登記がなければその第三者に対抗できないこともあるので、無用なトラブルに巻き込まれないためにも相続登記は必ず行うようにしましょう。

相続登記は、不動産の所在地を管轄する法務局、地方法務局、支局、出張所で行います。書留郵便での書面申請や、インターネットでの申請も行うことができます。相続登記を行う際には以下のような書類を提出します。

  • 登記申請書
  • 被相続人の出生から死亡までの戸籍謄本
  • 被相続人の住民票(除票)
  • 相続人全員分の戸籍謄本、住民票の写し
  • 遺言書または遺産分割協議書
  • 相続人全員の印鑑証明書
  • 固定資産評価証明書

登記申請書は、記載例とともに法務局ホームページ
(http://houmukyoku.moj.go.jp/homu/fudousan4.html)で確認することができます。

なお、法定相続分のとおりに共有名義で登記をする場合には、遺産分割協議書がなくて相続人の一人が単独で登記申請することができます。そのため、遺言書があっても、他の相続人が先んじて、法定相続とおりの登記を入れ、持分を売却する動きを取ることも可能になってしまいます。この場合には、当然、不当利得等の問題で、売却代金は返してもらうことになりますが、時間もかかりますし、買い取った第三者へ対応も必要になってきます。
そのため、遺言書がある場合は早めの対応が必要です。注意してください。

相続登記は、自分だけで行うことも出来ます。ただ、財産の算定や必要書類の準備を本人で行うのは大変です。また、個別に司法書士に依頼して手続きを代行してもらうこともできますが、当事務所にご相談いただければ、司法書士と提携して相続登記までワンストップで対応可能です。

5. 相続税の申告・納付について

不動産の相続に限りませんが、ある一定額以上の財産を相続した場合は、相続税の課税対象となる場合があります。相続税についてもお気軽にご相談ください。

6. おわりに

神楽坂総合法律事務所は、千代田区、中央区、港区、渋谷区、文京区などの東京23区を中心に、東京都、神奈川県、埼玉県、千葉県などで、不動産や会社の相続について、相談を承っております。
お悩みの際はお気軽に当事務所までご相談ください。

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